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『人旅』　10meets

高田克子さんに人旅

今日の旅先は『ふれんどはうす』という酵素玄米をメインに健康的なランチメニューを提供しながら、貸しスペースでさまざまな教室の場を作っているお店の代表、『高田克子』さんだ。

沖新田地区で３６年間スーパーマーケットを経営されていた高田さんだがご主人が他界されたのをきっかけでお店を閉店。今後地域のために何かしたいその一心で第二の人生の目的を探した結果見つけた答えは『人が集まる温かい多目的施設』だった。　貸しスペースとして多種の習い事教室に貸し出し、模索していた時期にネットで見つけた。『塩麹』を使った体に優しい料理それに酵素玄米をミックスしたメニューを持つ飲食店をハイブリッドしようというものだった。　コンセプトは『みんなが集まる、友達になれる場所』。ご主人を亡くされた高田さんにとっては『仲間』を見つけ新たな人生をスタートしたいという願いを具現化したのが『ふれんどはうす』であったのだろう。

『塩麹』というもの、恥ずかしながら僕は知らなかった。甘酒やお味噌を作る際に必ず調合するものだそうだ。2009年頃大ブレークして、メディアでも取り上げられていた。誰でも簡単に作ることができ、効用としては『うまみ』を引き出す映画で云うところの『名脇役』だ。ネットで提供メニューを構想し、『郷土料理』を検索していて、偶然にヒットしたそうだ。縁があったのかもしれない。

実際に自宅で塩麹を試してみて、非常に良かったので是非お店の特色に取り入れようということになったのだ。高田さんは塩麹がらみで学区の施設、公民館などで料理教室も開講されている。

『いいものやおいしいものは知りたいと願う人たちに惜しむ事なくお伝えしていきたい。』それが高田さんのスタイルだ。だからお店に来るお客さんで、『味付け』など気に入った方が高田さんに訊ねても、快く回答してくださるようだ。　種明かしを渋らない高田さんの気持ちのイイ、生き方に僕はすがすがしい気持ちになった。お昼のランチにはスーパー時代からのお客さんや比較的高齢者の方々、健康志向のビジネスウーマンが沢山来店する。

お客さんの『体に優しい味だね』という声が何より高田さんの伝えたい料理の言葉が伝わっている証拠だ。

健康を意識した食生活で大事なのは『地産地消』。その土地で採れるものをおいしくいただく、これに尽きると高田さんは言う。

大元　　『スーパー経営時代と比べて何が一番変わりましたか？』

高田さん『スーパーをやっていた時はとにかく売ることが全てだった。今は美味しかったと人から感謝してもらえる、人が喜ぶ顔が見えることが生きがいであり、やりがい、喜びになっているわ。』

利益至上主義から笑顔至上主義に大変革した高田さんの生き方は、これ以上無い成功リ

スタートであると僕は思う。お金があれば一人でも人は生きられる。でも輝き、人生

に喜びを感じることが出来るのは、誰かが光や温かみを当ててくれるからこそ感じるはず

だ。

スタッフは地域の奥様方が高田さんをしっかりサポートしている。それも高田さんの人

柄の賜物であると思う。

貸しスペースではパソコン教室、書道、トールペイント、オカリナ、クレイクラフトな

どの多様な教室が開かれ、人が集まる場所になっている。この空間で人が笑顔になり素敵

な時間を共有する。素晴らしいと僕は思う。

大元　　『現代の食生活をどうみておられますか？』

高田さん『女性が忙しすぎるね。だからお惣菜など出来たモノを子供に食べさせることが多くなる。でも手作りに勝るものはないの。だって食事を作る時って食べる人のことを考えながら作るでしょ。思いがこもっている。』

『思いのこもった料理を食べて育った子と弁当やお惣菜を食べて育った子では内面的にも大きな違いがあるように思う。ママさんも料理をする人と全くしない人の二極化が起きているように感じるね。』

最後に高田さんの『心の言葉』

『ありがとう』という言葉が浮かんだそうだ。感謝する心を持たなくてはいけない。一人

では何もできやしないのだから。

あくせく働いていたスーパー時代と比べ笑顔が出るようになったそうだ。昔を知る方か

ら『同じ高田さん？』と言われたこともあるそうだ。きっと感謝する心は笑顔を高田さん

に運んでくれたんだろう。

これからもこの場所は高田さんにとってもお客さんにとっても、集まる人々にとっても大

切な場所であり続けるだろう。第二の人生で夢をしっかり具現化した高田さんは今日も僕

に素敵な笑顔で話してくれた。そんな高田さんに僕からも心からの『ありがとう』をあげ

たいと思う。