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『人旅』 11meets

片山志津子さんに人旅

今日の旅先は学区で料理教室を開講しておられる『片山志津子』さんだ。

公民館で料理講座をいくつも掛け持ちしておられるバイタリティにあふれたご婦人。

担当する講座『旬菜クッキング』『男の料理』の受講生はおよそ80人。料理といったら学区で片山さんの名前を知らない方はいない。

そんな片山さん一体どんな人生を歩んでこられたのだろうか?

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片山さんと料理の縁は学校を卒業後、西大寺である会社に住み込みで就職したところから始まる。そこでお世話になっていた女将さんは料理がとても上手だった。『女性は料理が出来ると大きな武器になる。もし、一生懸命覚えるなら教えてあげる。』女将さんに片山さんはみっちり鍛えられ料理の基本から教わることになる。

その時の知識やスキルは後の片山さんの人生で大きな役割を担うことになる。女将さんの言葉は正しかったということだ。

 

その後料理の世界に転職して、喫茶店を経営される。36歳の時、給食調理員となり、大勢の給食を作る仕事にたどり着く。小学校や中学校、官庁などで給食を1500食作る大変な仕事だ。以来62歳の定年を迎えるまで給食を作り続けた。
大元  『給食調理員でのうれしかった事は何ですか?』

片山さん『子供達が食器の返却口で「今日のカレー美味しかったよ」とダイレクトに子供達の声を聞くことが出来たとき。』

 

確かに飲食店などのように食べている人の顔を見ることがない給食調理員の仕事、でもやっぱり美味しかっただろうか?と気になるものなのだろうな。

 

片山さんは、退職する時、教育委員会から『教育どろんこ賞』という名誉ある賞を頂いた。最後の職場の校長先生が片山さんの退職まで勤め上げた事、仕事を一生懸命にやっていた事、料理道具をとても大切にしていた事など仕事に対する姿勢に敬意を表したのだろう。

この賞の受賞を受けて、退職直後に学区の公民館から料理教室の講師のオファーが舞い込むことになったのが今から9年前のことだ。

公民館での料理教室のコンセプトは『成人病』を食生活の改善を通じて防止していくという保険所の考えがベースになっている。

オファーがあったが片山さんは少しの不安を抱えていた。

『今までは主に子供達の給食を調理してきた。果たして『成人病』を意識したカタチの大人たちに対する料理教室を自分の今までの経験と知識、スキルでやっていくことができるのだろうか?』と。

 

不安はあったが片山さんは思い切って講師の仕事を引き受ける決心をした。

初回受講者の数は30人。全て地域の女性だ。思いのほか『受講したい』という希望者が多かったのにも片山さんは驚いたという。教室の名前がまだ当初は決まっていなかった。

そこで片山さんは受講者の方々にアイデアを募り、ナイスネーミングを採用しようと決めた。

『旬菜クッキング』。季節の旬の野菜を親しみのあるメニューで美味しく食べようという趣旨で付けられた名前。僕は素敵な名前だと思う。

講座でのメニューからレシピまで全て片山さんが考えて決めて受講生に提供をしてきた。

もちろん最初は試行錯誤の連続、でもそこで調理員時代にはなかった『気づき』を得ることもできた。

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現在も『旬菜クッキング』はA,B,C教室と3つの教室が存在し、毎年継続し続けている。

凄い事だと僕は思う。料理を習いたいと片山さんを師事する方々は60人を超え、片山さんが長年の経験から見につけた『味』は沢山の方が身につけるチャンスをもらっている。

 

3年前からは女性ではなく男性だけの講座『男の料理』教室も始まりますます片山さんは忙しくなった。

 

大元  『男の料理で受講している男性方に対して片山さんの願いは何ですか?』

片山さん『奥さんに料理を作ってもらってきた男性方、でももし奥様が先に亡くなったとしたら、自分で自炊しなくてはならなくなる。その時少しでも料理をかじっているのといないのでは、大きな違いがある。今すぐためにならなくてもいい。いつか習った事がいかされることを願っています。』

この言葉は片山さん自身が体感してこられたからこその言葉だと僕は思う。最初に就職した時女将さんから教えてもらった料理のいろはが後の人生を切り開く力となった。

現在習っていることが将来役立つことを片山さんは誰よりもご自身の人生の中で知っておられるのだ。

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最後に恒例の『心の言葉』。その人の人生そのものを表す言葉、好きな言葉を教えてもらっている。

 

『旬のものを美味しく食べる』

季節に合った体調管理をするには食生活が重要な鍵になってくる。季節に応じた、自然なチョイスによる食材を食することで人の体は健康でいることができるのだそうだ。

美味しくというのも外せない。食べるという行為は美味しいという喜びを得ることで意味が変わる。生きるための食事から、楽しむための食事。それこそが人間の食事であると僕は理解した。

 

現在は年末に藁で作ったしめ飾り作りを学区の小学生に教えたり、祭りや、地域行事の打ち上げなどでも料理の腕をふるい、地域の方の舌をうならせている。

 

僕も彼女の『おでん』を食べさせてもらったことがある。素朴だけどしっかりとした味付けでいくらでも食べられる。いつまでも飽きさせない味だった。

 

これからも片山さんは精力的に料理に向き合い、沢山の方に女将さんから受け継いだ『味』を地域の方々に伝え続ける。

『味』のバトンリレーって素敵だなあと僕は思う。きっと片山さんの味は誰かが引き継ぎ、そのまた子供が受け継いで残っていくことだろう。

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