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『人旅』 1meets

前田良夫 氏に人旅

 今日から沖新田地域の魅力的な方々を僕が訪ね、お話をして人との交わりを通じて感じたことを発信する『人旅』がスタートした。
1回目の今日は桑野にある『みのり農園』の経営者、『前田良夫さん』だ。

 前田さんは現在、桑野で週末だけ営業するうどん屋と隣接する畑で野菜を栽培し、新鮮野菜を販売している。事業家の息子だったが21歳の時脱サラし借金を背負いながら事業を継承、市内で当時先駆け的な『セルフうどん店』を経営。苦労しながら軌道に乗せ、莫大な収益を上げる企業まで成長させた。

 しかし20年経ったころから、『人生をリセットしたい』『豊かな人生を送りたい』と思うようになる。僕は前田氏に尋ねた。『成功してお金や地位を手に入れたのにどうして?』
前田氏『いつも時間に追われ、人を省みず稼ぐことしか頭になかった当時、「孤独・虚しさ」がいつもあった。物欲をどんなに満たしても、せいぜい2日ぐらいしか心は満たされない』

 生死に関わる病気や交通事故など遭遇した前田さんは更に『人生のリセット』を本気で考えるようになった。35年経つ頃には、廃業して東北地方に奥様と移住しようと考え、何度も足を運び、移住先も決めていたらしい。しかしその直後あの忌まわしい『3.11』が彼らの人生も変えることになる。

 移住予定地も被災し大きな被害を受け、前田夫妻は岡山に残ることを決意した。店を廃業し、別の場所で別のスタイルで人生をやり直すんだ!と現在の桑野に当時と比べれば小規模なお店を始めた。

『楽しめるうどん屋』『お客様とコミュニケーションしながら』『新鮮野菜を使った』これらが新しい店のコンセプトだ。
農業を一から勉強しなおすために『農業大学校』にも入学した。やると決めたらとことんやる。起業家魂はやっぱり健在だ。開業してから以前と全く違った客層で驚いたという。
何より前田さんの顔相も温和な顔に変わり家族も驚いたらしい。

確かに収入は減った。だがやって良かったと前田氏は僕に言う。『豊かに生きることが幸せなんだ。モノじゃない。そして自分の器に合う城こそが自然なのだ。今の店は自分に合った店だ。やっと辿りついたよ。』

今後は無理なく、楽しく店舗経営と農業を両立したスタイルを確立していきたいとのこと。
『温泉にもゆっくり行きたいなあ』とても優しい笑顔を僕に見せてくれた。

最後に、毎回『自分の中に残る言葉』を聞いた。
前田氏『ワシは「雑草」という言葉が好きだった。踏まれても踏まれても出てくるからだ。』
確かに幾度も苦難を乗り越えてこられた人生は雑草のように力強いものだ。

ラストに心温まるエピソード。雑草が好きだとよく人にも言っていたらしいが、取引先の銀行の支店長がある時言ったそうだ。
『前田さんはもう雑草なんかじゃないよ。花壇に咲くきれいな花だ。花になったんだよ前田さんは。』

人生のリスタートをした前田さん。きっと素敵な第二の人生を歩いていくはずだ。人はいつからでもやり直せる。僕は前田さんに会ってそう思う。誰だってやり直せる。実現するかどうかは自分しだいなんだって思う。

前田良夫さん。一発目の僕の『人旅』に相応しい素敵な方だったよ。

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