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『人旅』 2meets

角南勲会長に人旅

 先日から始まった地域の魅力的な方を訪ねる『人旅』。今回はスナミ製作所 角南勲会長にお話を聞いた。スナミ製作所はコルゲート加工やプレス加工などを駆使して各種部品などを製造するメーカーだ。

昭和47年、学校を卒業してプレス、金型を扱う会社に入社し会長のビジネスマンとしての人生がスタートする。当時業界自体、好景気に沸いていた時代で会社も多忙な毎日を送っていた。5年程勤めた会社を転職したが、やっぱり転職先も同じプレス・金型の会社。

『一度入門した世界だから別の業界へ行くなんてありえない』
会長はすっかり自分の身を置く業界に惚れていたのだ。

 転職先でも激務には変わりなく、受注から見積、設計、施工、納品まで全ての業務をこなす事になる。日によっては深夜から明け方まで仕事詰めの日もあったそうだ。
 振り返るとその当時、職人以外の業務を経験できた事で独立するスキルを磨くことになったのだから、人生とは本当に不思議だ。

『これだけ全ての業務をこなせるのであるから、独立しても絶対できるはずだ』

日々の経験は会長の中で自信に変わり、独立の志を抱くようになる。30歳の時、一念発起して会長は一国一城の主になる。中古の機械設備を買い揃え事業開始!資金的な援助等全く無い『ゼロ』からの出発であった。

既に結婚されていたので奥様は事業が軌道に乗るまでは内職などの仕事をやり会長を支え続けた。

徐々に会長の人柄で顧客からの信用を得、受注もコンスタントに入るようになり始めた。
従業員も一人また一人と増えた。景況も依然として好景気真っ只中、忙しい毎日だった。当時を振り返り会長の胸にあったのは
『納期は死守する!どんなことをしても守り抜くのが俺の仕事の流儀だ!』

ということだ。35歳になった時、法人化し現在の㈲スナミ製作所が産声を上げる。

以後も順調に売上げを伸ばし続け、40歳でついに工場を築造。開業当時の脆弱な設備体制は見る影もなく、大きなプレス機等がある立派な製作所に変貌を遂げていた。

会社が成長してきたのは会長が汗を流し、苦労しながらも努力し続けた結果だと僕は思う。
どんなに辛くても苦しくても、諦めないで目の前の『やるべき事に全力を尽くす』その先に『勝利』があるのだと僕は会長のお話を聞いて思った。

 不思議な事に会長は苦労話や辛かった事、悲しかった事はあまり口にしない。そこに男の意地みたいなものを僕は感じる。男は黙って耐えるものだ。その背中を従業員達は見て、『会長のために頑張ろう』を闘志が沸くのだ。

 現在の企業のカタチからすれば『古い』と言う方もおられるかもしれない。だが僕はそうは思わない。トップは最前線で社員と共に戦う。これこそが中小企業の理想カタチだ。
なぜなら小さな組織ほど社長と社員の結束力が経営の重要なファクターになるからだ。

大将も戦場で一兵卒と共に剣を振り戦をする。安全な所で高みの見物をしているようでは部下は着いてはこない。

 現在は会長の息子さんが後継し社長として頑張っておられる。第一線を退いたとはいえ、会長は今日も会社に出てアイデアを出し、悩んで、目の前の案件と戦っている。

会長は最後に僕に言った。
『皆に支えてもらったから今がある。だから恩返しの気持ちで日々頑張るだけだ。苦労した日々があるから今がある。そして何より仕事が好きだ』と。

 今後は業務の傍ら、『3.11』を目の当たりにして『地域の災害対策』にも尽力していきたいと力強く語る。まだまだ会長の夢は終わらない。

毎回恒例の『心の言葉』
『人と人は心と心だ。心を開けば必ずいい関係が築けるはずだ。』
『ハートが無ければ通じない』
という言葉を僕にくれた。

圧倒的な人間力を持つ会長は戦い、勝ち続けたビジネスマンだ。その眼光は歳をとっても、
これからも変わることはないだろう。

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大元登記測量事務所

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